なぜ国産材なのか

”森林王国”と呼ばれた日本

エンドユーザーに山を案内する林業家

エンドユーザーに山を案内する林業家

 森林率67%。世界中でもまれな高い森林率を誇る日本。 この恵まれた環境をごく自然に受け止め、先人達はあらゆるものに木材を活用してきました。 しかし、この恵まれた環境は、使っては植え、また植えて・・・と、想いを込めて木を育て、大切に使ってきたからこそ、守られてきました。木を育てる林業家がいて、柱や板にする製材の技があり、そしてそれを組んで住まいを造る職人達がいる・・・これこそが、私達が世界に誇る「木の文化」なのです。

 戦後植えられた杉や桧は生長を続け、現在その蓄積は、「日本における1年間の建築用材需要をまかなえるほど増加している」といわれています。同じ木を使うのでも、外材を使うのと国産材を使うのとでは、意味が違うことがお分かりいただけると思います。

 まず、最近地球温暖化問題でよく取り沙汰される「二酸化炭素固定」作用があげられるでしょう。森林は二酸化炭素を吸い、水と酸素という生き物に不可欠な環境をつくりだしてくれます。人間やその生産活動が酸素を吸い、エネルギーを使い、二酸化炭素を放出する一方なのとは大違いです。

呼吸し続ける木の家は都会の森林

呼吸し続ける木の家は都会の森林

 さて、木の家を建てるということは、その二酸化炭素を固定してくれている森林の木を伐って使うことになりますが、木は伐っても、燃やしたり、腐らせたりしない限り、二酸化炭素を固定しつづけます。 「木の家は都会の森林である」という言い方をするのはそういうことなのです。鉱物資源を原料としているコンクリートや鉄骨の家にはできないことです。

 ですから、木の家を建てる、そして、その木の寿命いっぱい住み続けるということが、地球温暖化を少しでもくい止める助けになっているのです。それもできれば、遠くの外国から船で運んできた木でなく、日本の木を使った方がいいですね。 また、それ二酸化炭素固定以外にも、解体時に有害物質を出さず、最終的に土に還るという点も、ゴミ問題が社会問題になっている今日、木の家が環境的にすぐれているといえる理由のひとつですね。

しかし現状は・・・

 日本の木材需要のうち、国産の木の占める割合は・・・なんと、2割を下回っています。 年々大きくなる杉や桧は、使わずに放置されているのが現状です。 木材が売れないため、多くの林業家は山に手を入れるための費用を捻出できず、放置される山が各地で増え続けています。手入れがされない山は、木の枝葉が伸び放題となって重なり合い、そのため地面に陽が射さず、下草がまったく生えない山となります。 土をつかむ草が生えないため、たった一晩の降雨にも耐えられず、崩壊し、土砂崩れを起こす山が急激に増えています。

その一方で・・・

 私達は、外国から「キクイムシ」と非難されるほど、諸外国で乱伐を繰り返してきました。 現在でもその教訓は生かされずに、また新たな地で「キクイムシ」になろうとしています。 国内に十分な資源があるにも関わらず、外国の木を乱伐し非難されている現状に、矛盾と苛立たしさを感じずにはいられません。 国産材を有効に活用し、健全な山を保持し、「木の文化」を次世代に受け継いでゆきたい・・・ そのためには、今こそ町に暮らす人達の選択が必要です。

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